2012年発行の『図録 植民地朝鮮に生きる』を読みました。
Amazonのレビューには恫喝的な民衆支配とありますが、警察機関が国内に配備され
犯罪取締り、衛生管理など、積極的に生活環境改善を目指した様子がありありと描写されています。
当時の民衆がどのように受け取ったかはわかりませんが、少なくとも朝鮮の近代化に信念を持って取り組んだご先祖様達の真心が浮かび上がってきました。
創氏改名の案内文書も大邱地方法院の実際の募集要項が載っていますが、もちろん強制するものでなく、任意であること、朝鮮の民意を受けた形で行なわれたものだと資料から客観的に判断することができます。
徴兵に関しても、公務員試験を受験するつもりの李さんが、なし崩し的に陸軍に志願することになった悲劇がクローズアップされていますが、地方行政機関の勇み足でなされたものであり、必ずしも朝鮮人兵が騙されていたわけではないことがよく分かります。
※当時の官吏についても日本人と朝鮮人の割合が記載されており、下級官吏の多く(65%)が朝鮮人で占められています。
近代化のためのダム、干拓を始めとした開拓や農村振興策、教育の普及なども具体的な事例を見ることができます。
日本人が韓国併合で成し遂げたことを冷静に振り返り、隣国との友好関係をいかに樹立するかを考えるべきだと痛感させられる貴重な資料を確認できる本です。