ストレス最高！！: ありがとうの法則

栗城史多さんの著書「一歩を超える勇気」にこんなことが書いてあります。

世界第七位（8167m）の高峰ダウラギリの登頂にアタックしている場面です。

＜「一歩を超える勇気」ｐ１０２より引用＞
手は冷たく、ガチガチと震えながらも深く呼吸をして、このダウラギリのすべてを全身で受け止めていた。
まだ目は回復していないが、少しでも前に進みたい。それが今の正直な答えだった。
たとえ山頂に行けなくても山頂が見えるところまで行ってみたい。だが、体は思うように動かない。そんなときにふと出てきた、ある言葉を口にした。

「ありがとう」

なぜ、ありがとうと口にしたのかわからない。ただそのほうが、力が出たのだ。
苦しみに対抗しようとしても力は出ない。この苦しみを受け入れるしかないのだ。苦しみも不安もすべては自然の一部であり、僕はその自然の中で生かされている。
気づくと目もだいぶ回復しており、岩峰の細かい本数も数えられるようになってきていた。
＜引用おわり＞

本当の意味で生と死の限界の域で体験された出来事にものすごく説得力があります。宇宙の真理を見る思いです。

五日市剛さんの「ツキを呼ぶ魔法の言葉」の「嫌なことがあったらありがとう」と同じです。栗城さんの場合は嫌なことではなく、「すべてにありがとう」と感謝して山を登っているのでしょうね。