2015年1月12日月曜日

『あゝ同期の桜』を観る

『あゝ同期の桜』を観る。


1967年上映の映画『あゝ同期の桜』をみました。
学徒出陣から神風特攻隊を描いた名作です。

ストーリー こちらより引用

海軍飛行予備学生第十四期会編の『あゝ同期の桜・かえらざる青春の手記』を原作に、若き学徒兵の遺書、遺稿、日記、手記を完全映画化。ペンを武器に持ち替え、定められた死を目前にした若者たちの苦悩と誇りに満ちた短い青春を、特攻出撃の全貌とともに描く。昭和19年、日本の敗色がいよいよ濃厚となってきた頃、学徒兵として出陣の途についた白鳥、半沢、福島ら学生たち。彼らは航空隊での教練を受け、やがて神風特攻隊として若い命を散らしていく…。


ここ最近観たもので
父親たちの星条旗では米国視点
硫黄島からの手紙では徴兵された下級兵視点
男たちの大和では艦隊乗組員の視点
連合艦隊司令長官山本五十六では軍上層部の視点
はだしのゲンでは被爆した民間人の視点
そして今回は大学生から学徒出陣により徴兵された新風特攻隊のストーリー
ということで様々な階級、立場の当時の様子を垣間見ることができた。


この映画には鶴田浩二をはじめ、
先日亡くなった高倉健、松方弘樹、千葉真一、西村晃、蟹江敬三
そして永遠の0にも出演されていた夏八木勲も出ており、
当時の東映オールスター勢揃いの豪華キャストとなっており
非常に見応えのあるものでした。


余談ですが、鶴田浩二と松方弘樹って激似なんですね。
はじめ松方弘樹の親父さんが出演されているのかと
思って見ていました。


永遠の0で特攻戦闘機を宮部久蔵と交換され
命を救われる佐伯賢一郎役をされていた夏八木勲さんですが

同期の桜では、妻子持ちで一度は特攻に出撃するも
出撃中に被弾、基地に帰還する臆病者として批難される
役どころを演じています。

さらに出撃機修理後の再度の特攻に際して
飛行機の異変を離陸前に察知し、後部に座る少年兵を
降ろし、一人で強行出撃し墜落炎上する南條少尉という
まさに宮部のような役をされていました。


おそらく、永遠の0著者の百田氏なのか映画監督の山崎氏
が永遠の0を映画化するにあたり、『あゝ同期の桜』への
オマージュとして夏八木勲さんを今度は逆に命を救われる
佐伯賢一郎というキャスティングにしたのではないかと思われます。


もしかすると、当時リアルタイムで
同期の桜を見ており、永遠の0を見に来た年輩の方に
宮部が命を託した男の種明かしの伏線として
意味合いもあったのではないのかと
思います。



夏八木勲さんの
デビュー間もない頃(1966年デビュー)の作品で
妻子ある悲劇の特攻隊員を演じ、そのキャリアを
終える作品で妻子ある生に執念を燃やした男に
救われる未来ある若者役(の現代の役)を演じる
という非常に象徴的な役割を果たしていると思いました。


永遠の0のレビューは沢山ありましたが
同期の桜についてはほとんどなく
戦後70年、高倉健映画ということもあり、
是非TV放映して欲しいものです。


ありがとうございました。

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