2015年1月29日木曜日

『私は貝になりたい』を観る。

1959年公開 東宝映画の『私は貝になりたい』を観ました。
フランキー堺さん主演で2008年には中居くん主演で
リメイクされている名作です。


といっても自分は聞いたことがあったものの
内容も全然知らず、貝になりたいという意味も
よくわかっていませんでした。


裁判の映画ということで、てっきり貝のように
口を閉ざしていたいということだと勝手に思い込んでいました。


悪名高い東京裁判で裁かれた人たちがどのような
気持ちで戦中、戦後、獄中の生活を過ごしていたのか
描いており、興味深くありました。


ごく普通の一般大衆たる主人公が、召集され
任務中に発生した戦時中の事件で訴追されるという
不運を通して、不条理な現実を描き出していました。


米軍の墜落兵を上官命令で止むを得ず傷つけたばかりに
死刑判決を受けるというのは、あまりにも無常で
連合国軍の仕打ちを非難しているのだと思いました。
(実際は下士官の死刑判決はなかったと言われているそうです)


また、同じく罪に問われ命令をした上官との関わりにも
戦時中の絶対的な上下関係と戦後の対等な人間同志としての関係、
戦時中の高官の言われなきレッテル貼り、それに反した高潔な態度など
胸を打つ演出もされており、A級戦犯として断罪された当時の指導者たちの
無罪をも訴えているようにも感じられました。


あまりにも有名な映画なのかもしれませんが、恥ずかしながら
結末を知らずに見ていたこともあり、釈放間近の雰囲気から
死刑執行への展開はビックリしてしまいました。


今度中居くんバージョンも見てみたいと思います。
ありがとうございました。

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