2015年1月16日金曜日

『きけわだつみのこえ』を観る。

1950年上映 東横映画製作の
日本戦歿学生の手記 きけ、わだつみのこえ』
をみました。


わだつみとはWikipediaによると
ワタツミワダツミ(海神・綿津見)とは日本神話の海の神のこと』
だそうです。
戦争で若くして亡くなった英霊の方々のことですね。


ビルマ戦線から敗走する日本陸軍の戦場での様子や
回想シーンで構成された映画です。
学問半ばにして召集された様々な立場の学徒兵を
リアルに描いており、当時の状況を想像させます。


戦後間もなくの製作ということもあり、
戦場描写のリアリティはすごく、モノクロということもあり
ドキュメンタリー映画なのかと思うような映像でした。


戦場での人間関係や落伍兵、負傷兵の扱い
上官と下級兵との関係、職業軍人・学徒兵との軋轢など
太平洋戦争に突入し泥沼の戦局になっていった当時の
カオスな実態が、ありのままに表現されているように
思いました。


敵兵は出てこないものの、アメリカ兵の投降を促す
放送?や苛烈な爆撃など直接的な戦闘シーンでないだけに
戦闘の薄気味悪さが強調されるようで逆に怖く感じました。


帝大のフランス語助教授と教え子の見習い士官の関係や
ある意味無責任な大隊長、上官の顔色ばかり伺う中尉など
戦争を醜悪でもなく、美化しすぎないところも、ある意味新鮮に
映りました。



『わだつみ』とは何ぞやと子どものころからずっと
不思議に思っていたのですが、今回映画をみることで
はじめて理解することができました。
レビューなどではラストシーンの評判は良くないようでしたが
彼らがわだつみとなり、故郷へと靖国神社へと行軍していくのだと
思い胸が熱くなりました。


ありがとうございました。

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